春のはじまりに、新しい自分に出会うヒントをお届けしている今月のFeatures。2回目の今回取り上げるのは、プロのセルフメイクから学ぶ、“ポイントを押さえて軽やかに仕上げる春のモードメイク”。
THREE専属メイクアップアーティスト菊池文香が、自然体を大切にしながら一歩上の洗練を……
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叶えるメイクのポイントをお伝えします。仕上がりの美しさやメイクの持ちに大きな差を生み出すほんの一手間を、今日からのメイクにぜひ取り入れてみてください!
菊池 文香 (THREE専属メイクアップアーティスト)
春は、ベースメイクもマイナーチェンジ
「春の肌はツヤ感を出して軽い印象に仕上げたいので、ファンデーションは本当に薄付けです。(スパチュラ1/2さじ分ほど。)そのかわり、プライマーの量は多めに。重ね付けでたっぷりなじませて、保湿力も高めています。
今の時季に私が使っているのは、プリスティーン プライマーの2本。毛穴をカバーしてなめらかに仕上げるトランスルーセントタイプを、鼻周りに。ツヤがよく出るグロータイプを、鼻以外の全顔に。2つのタイプを顔のパーツによって使い分けています。
ファンデーションは、クリーミーなタイプ。冬は肌をトーンアップさせたかったので203のカラーバリエーションを使っていましたが、春夏は少し日を浴びたようなツヤ肌に仕上げたいので、1トーン暗めの204を使っています。トーンが暗いと、肌のツヤがより際立つんですよ。
コンシーラーは、リキッドタイプのORと02を合わせ使い。オレンジカラー(OR)は、目の下のクマやくすみを隠してくれます。その上から02のスキントーンを重ねて、自然な肌色になじませます。
さらに02は、下まぶたの目尻から斜め上に伸ばしてぼかすと、表情にさりげないリフトアップ効果も生まれます(右上の写真を参考に)」
続いて、シマリング グロー デュオでツヤ・血色・立体感を完璧に仕上げたら、最後にルースパウダーをオン。大きなブラシで顔の広い部分につけたら、ここからが重要! 小さいブラシを使って、小鼻やこめかみ、眉まわり、髪の生え際など、細かい部分や顔の凹凸があるところにも、パウダーをきちんとのせていきます。
このひと手間で、ベースメイクの崩れはもちろん、顔全体の印象や洗練度もまったく変わってきます。パウダーは、パフや大きなブラシでパタパタはたいて終わり……という方が意外と多いのですが、細かい部分までぜひきちんと塗ってください」
眉にもベースメイクが必要
眉には特にこだわりがあるという菊池アーティスト。「実は、眉の下にもプライマー、ファンデーション、ルースパウダーを塗った方がいいんです。そうすることで、アイブラウペンシルやパウダーの色すべりを防ぐことができて、とても描きやすくなりますよ」
ペンシルで形を整えた後、アイブラウパウダーで毛と毛の間を埋めていき、最後はアイブラウマスカラ。「眉のトーンが明るいと、アイカラーの色が際立ちます。また、アイブラウマスカラには、眉の毛流れを整えるという役目も。眉頭は上方向へ立てるように。残りは顔の外側に向かって。眉尻まで美しい毛流れにして、正面だけでなくどの角度から見ても隙のないように仕上げます」
モードに、バランスよく。春の一押しカラーメイク。
「季節ごとにメイクの新色や新アイテムが出るので、自然と自分のメイクスタイルもアップデートされていきます。この前の秋冬はアイラインを主役にしたデザインアイメイクが楽しかったのですが、この春はリニューアルしたばかりのルースタイプのアイカラーを使った、空気をまとったような軽やかなアイメイクが気分です。新色の中でもお気に入りでつい手が伸びるのは、06、07、08などの鮮やかなカラー。少しグレイッシュで透明感もあるので、見た目以上に使いやすい色なんですよ」
今回は、クアッドパレットの03をベースに、カラーヴェール08のカーキカラーをまぶた全体に。その上から07のアイシーブルーを細いライン上に、まぶたのキワに重ねました。「小さいブラシを使えば、ルースカラーもこんなにインパクトのあるライン状に仕上げられるんです。ルースタイプだからと言って必ずしもふわっと仕上げるというルールはないので、いろんな使い方に挑戦してみるともっとメイクが楽めると思いますよ」
チークは春らしく、オレンジがかったコーラルをチョイス。「秋冬は青みがかったピンクを使うことが多かったのですが、最近は少しヘルシーなコーラル系にシフトしてきています。これはTHREEのチークの特長なのですが、透明感がとても高いので似合わない色がないんです! どの色でも失敗はないので、ぜひ季節の変わり目には新しい色調に挑戦してみてください」
最後に乾燥と紫外線をブロックするリッププロテクターとコーラルローズのリップスティックを塗って、菊池アーティストお気に入りの春メイクが完成!
「今日のメイクは、ONモードのときのメイク。OFFモードの日は、実はほとんどメイクをしないんです。プライマーと、シマリング グローデュオ、ルースパウダーで、ベースメイクは終わり。あとは眉毛だけちゃんと描いて、リッププロテクターとリップスティックでフィニッシュです。アイメイクはしないので、メガネをかけることも多いですね。
アイテムで遊ぶしっかりメイクも、最低限で済ませるシンプルメイクも、どちらも好きなんです。そのためには、やはり素肌の美しさというのは本当に大事だと思っています。あとは、細かいところを丁寧に仕上げること。アイラインを目のキワまでちゃんと引いたり、まつ毛をエレガントにカールしたり、パウダーを細かい部分まできちんとはたいたり。
細部がきれいだったら、使用アイテムは少なくてもきちんとメイクしているように見えると思いますよ」
スキンケアとメイクのプロの習慣からわかったのは、スキンケアもメイクも“基本”と“細部”が何より大切ということ。
この教訓を実践すべく次回は、意外と誰もが陥りがちな、肌とメイクにまつわる「見過ごしNGチェック」をお届けします。春の本番を迎える前に、一緒に一項目ずつ確認していきましょう。
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#039_2「質感まで、春らしい表情のつくり方」THREE専属メイクアップアーティスト 菊池文香のデイリーメイクアップ